Windows PCの不調時に役立つコマンド「perfmon /rel」とは? 信頼性モニターを即起動

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Windows PCの動作が「なんだか重い」「特定のアプリが頻繁に落ちる」といった不安定な状態に陥ることはないでしょうか。Windowsでは、「perfmon /rel」という標準コマンド一つで、Windowsの「信頼性モニター」を即座に呼び出し、過去のエラー履歴やアップデート状況を時系列で視覚的に確認できるということです。

この記事では「perfmon /rel」コマンドの基本的な使い方と、我々開発者やWeb制作者が遭遇する利用シーンを整理します。

「perfmon /rel」で起動できる「信頼性モニター」とは

「信頼性モニター」は、Windows Vista以降に標準搭載されている機能です。「信頼性モニター」を起動する方法は、 [Windowsキー] + [R]キーで「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「perfmon /rel」と入力して[Enter]キーを押すだけです。「perfmon」コマンド(パフォーマンスモニター)に「/rel」オプションを付与する形となります。

信頼性モニターは、PCの安定性を時系列のグラフで表示します。アプリケーションのエラー(クラッシュ)、Windowsの更新プログラムの適用(成功・失敗)、ドライバのインストール、ハードウェアの問題などが記録されています。

表示する発生時刻の変更
時系列のグラフ上の時刻をクリックすると以下のように対象が青くハイライトされ、その時刻に発生したイベントを確認することができます。

信頼性モニターのスクリーンショット

また、各イベントをクリックすると、さらに詳細な情報が表示されるのでトラブルシューティングなでで役に立つ情報を得ることができます。

信頼性モニターの詳細画面のスクリーンショット

信頼性モニターの利用シーン

「特定のツールをインストールしてからPCの調子がおかしい」「Windows Updateの適用後から挙動が変だ」といった場合に、問題が発生した日付とイベントを照合するのに役立ちます。

「信頼性モニター」では、PCの安定性を1〜10の「安定性インデックス」で評価します。グラフ上には以下のイベントがアイコンで示され、日々の安定度の変動を確認できます。

重大なイベントは「赤丸に×アイコン」

アプリケーションのクラッシュ、OSのハングアップ(フリーズ)など、システムの安定性に深刻な影響を与えた問題を確認できます。

警告は「黄三角に!アイコン」

インストールの失敗など、重大ではないものの注意すべき問題について確認できます。

情報は「青丸にiアイコン」

ソフトウェアのインストール成功、Windows Updateの適用完了など、システム変更の記録です。グラフの下部にある「詳細の表示」をクリックすれば、各イベントの原因となったプロセス名やエラーコードを確認できる場合もあります。

開発者・制作者の活用シーンとまとめ

今回のコマンド(機能)は、我々開発者やWeb制作者にとって、トラブルシューティングの初期段階(切り分け)において非常に有効なツールとなりそうです。

開発環境の安定性確認として
ローカル開発環境(IDE、Docker Desktop、ローカルサーバーなど)が急に不安定になった際、それが導入したツールの問題なのか、あるいはバックグラウンドで実行されたOSの自動更新や別アプリのインストールが影響しているのかを切り分ける初期調査として役立つでしょう。

「昨日まで動いていたのに」の原因特定
「昨日まで正常にビルドできていたコードが、今朝から急にエラーになる」といった場合、コードの変更履歴(Git)を確認すると同時に、この信頼性モニターでOS側の変更(特にドライバーの更新やセキュリティパッチ)がなかったかを確認する、という使い方が考えられます。

「perfmon /rel」は、Windowsの不調時に「信頼性モニター」を素早く起動し、エラー履歴を視覚的に確認するための便利なコマンドです。開発環境のトラブルシューティングにおいて、原因の切り分けを行う「第一歩」として非常に役立つツールです。


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